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幽谷霧子/共通コミュファン感謝祭編

2019年10月30日 (水) 04:50時点におけるSwitchback (トーク | 投稿記録)による版
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目次

おいのり

ミユア・ノ・レゾレソ

 
恋鐘
——台本よ〜し! ペンよ〜し! ハンカチよ〜し!
そいで、大事なお弁当も——
P恋鐘ー! 先に行ってるぞー!
車を回してくるから、準備ができたら下で待っていてくれ!
 
恋鐘
あっ、うん〜!
うちもすぐ行くけん〜
Pおっ、咲耶!
 
咲耶
お出かけのようだねプロデューサー
すれ違いとは残念だ
Pあっ、悪いがはづきさんが出社したら
今日も直帰の予定だと伝えてくれないか
 
咲耶
ああ……今日も忙しそうだね
わかったよ、いってらっしゃい
Pバタバタしていてすまん!
いってきます——!
 
咲耶
階段、足元に気をつけて……
P——おわっ……!
 
咲耶
……忠告が少しばかり遅かったかな
 
恋鐘
いってきま——……あっ、あー! 咲耶——!
 
咲耶
やあ、恋鐘もお出かけかい?
プロデューサーと一緒かな
 
恋鐘
うん! ばってんえっとえっと〜……
咲耶に聞きたかことのあったとよ!
 
恋鐘
咲耶! 咲耶はどがんステージがよかと〜?
 
咲耶
ステージ? …………もしかして感謝祭の話かな?
 
恋鐘
うん〜! 最近みんな忙しかけん、集まれんやろ〜?
なんかよか考えはなかかな〜って思って、そいで——
P恋鐘ー!
 
咲耶
……プロデューサーがお呼びのようだね
今日のところは時間切れかな
 
恋鐘
ああ〜〜! しょんなか!
咲耶、今度また話そ〜!
 
咲耶
ああ、次はちゃんと話そう
いってらっしゃい……
 
咲耶
……
 
咲耶
忙しいのは良いことだ……
 
結華
こがたん待って——あっ、さくやん!
こがたん、もう行っちゃった?!
 
咲耶
ああ——ちょうど今ね。走っていったよ
 
結華
ええっ!? ああ……お弁当……
ソファーに置きっぱなしだったよ、こがたーん……
 
結華
『今日のはば〜りばりにすごか!』って言ってたのに……
……間に合わないかもだけど連絡しとくかー……
 
咲耶
……良かったら恋鐘には私から連絡しておこうか
結華もこれから出かけるんだろう?
 
結華
ああーっ、もうそんな時間!?
ごめんさくやん、お願いしちゃっていいかな?
 
咲耶
仲間だからね、忙しい時はお互い様さ
私への『お願い』はとっておきの時に、ね
 
結華
——これはありがとうって言わせないハラだな……?
忙しいのはさくやんだって同じなのにさぁ
 
咲耶
今はキミを送り出すのが私の仕事だよ
ほらほら時間は大丈夫かい?
 
結華
——あ〜っもう!
バタバタでごめんね! いってきます!
 
咲耶
フフ、いってらっしゃい
 
咲耶
…………
 
咲耶
ふう…………
P木曜日の午後は……ダメだな
摩美々と霧子に予定が入ってる
 
恋鐘
そいやったら、金曜の朝にするとがよか!
Pそこも……全員揃うのは難しそうだ
 
恋鐘
土日はうちがパンパンやし……
ん〜〜〜!!
Pすまん……予定が合わなくて困るよな
みんなで感謝祭の話を進めなくちゃいけないのに
 
恋鐘
あっ、ううん! 忙しかとはよかことやけん!
今は頑張らんといかん時やねって結華とも話し……
 
恋鐘
あああああっ——!!
Pどうした!?
 
恋鐘
うちのとっておきのお弁当〜……
 
恋鐘
『ありがと〜〜!! そい ば〜りすごかお弁当
さっきゆびさし確認したとに……』
 
恋鐘
『だれか食べてくれる人〜〜〜
おらんかなぁ????? ふぇ〜〜』
 
咲耶
ああ、恋鐘……
忙しい時は仕方ないさ
 
咲耶
『ありがとう。それならお言葉に甘えさせてもらおう
恋鐘の手作り、大切にいただくよ』
 
咲耶
けれど、ひとりで食べるのは……
 
咲耶
少しだけ…………

デイナ・シイ・パンシ

 
咲耶
……——あ、結華と連絡がついたよ
少し遅れるって。プロデューサーも一緒らしい
 
恋鐘
了解〜〜!
そいじゃあ、着いたらすぐ倉庫に来てもらえばよかね〜
 
摩美々
……本当にここでやるのー?
 
恋鐘
もっちろんばい!
作戦会議はこがんとこでやるって、決まっとると!
 
咲耶
フフ、作戦会議なのかい?
私は感謝祭に向けてのミーティングだとばかり思っていたよ
 
恋鐘
作戦会議って言ったほうがかっこよか!
ぜ〜ったい、よか考えも湧いてくるけん!
 
摩美々
でも埃っぽいのはちょっとー……
 
恋鐘
ふぇっ! 霧子、カーテンば開けると!?
 
霧子
あっ……ごめんね……!
空気を入れ替えようかなって……
 
恋鐘
薄暗かとこの方が、作戦会議の雰囲気出てよかよ〜!
 
摩美々
でもそれってー、作戦を立てる場所っていうより
事件が起きる場所なんじゃないのー?
 
恋鐘
事件が起きても関係なかっ!
うちらにかかれば、泥棒でもトナカイでもいちころばい!
 
咲耶
……そうだね
アンティーカが揃えばきっと無敵さ
 
恋鐘
んふふ〜! そいば言いたかったと〜!
 
摩美々
えー……とりあえずまだ始まらないならぁ
ちょっとコンビニ行ってきまぁす
 
恋鐘
結華が来たらすぐ始めるけんね〜!
 
霧子
いってらっしゃい……
 
霧子
それじゃ……
わたし……お掃除してるね……
 
咲耶
霧子、私も手伝うよ
 
霧子
ありがとう……
掃除機……持ってくるね……
 
咲耶
ああ……
————久しぶりだね、この空気も……
 
霧子
空気……?
 
咲耶
うーん、いうなれば
あたたかい空気、かな?
 
咲耶
……フフッ
 
霧子
……?
 
霧子
……ふふっ
P——たっ、ただいま……!
ああ、やっぱりもう出払っちゃったか……!
 
結華
——プロデューサー! 倉庫!
ミーティング、倉庫でやってるみたいだから!
Pえっ! わ、わかった
なんでまたそんなところに……
 
霧子
——あ。おかえりなさい、結華ちゃん……
プロデューサーさん……
 
結華
きりりん! 遅くなってごめんね……!
みんなは!?
 
霧子
ご、ごめんね……
もうみんな……お出かけしちゃって……
Pそうだよな、そんな時間だよな……
すまない、遅くなって……結華も……すまん
 
結華
えっ、いやいやいや!
遅くなったのはプロデューサーのせいじゃないから!
Pいや、渋滞しそうな道を避けていたらもう少し……
 
霧子
あの……
プロデューサーさん……
 
霧子
これ……
咲耶さんから……預かってて……
Pノート? 何かな……ありがとう
 
霧子
い、いえ……
あの……
 
霧子
よろしくお願いします……!
 
結華
わー……!
さくやん、丁寧にまとめてくれてるね……!
P咲耶が進めておいてくれるとは思ったけど、なるほど……
これからやることも疑問点もきれいに整理されてる……
 
結華
ああ……案出しの交通整理でも大変だったろうに……
ごめんねさくやん、ありがとう……!
Pこれ、時間かかっただろうな……
 
結華
うん……でも、役割分担もちゃんと決まってるし、
このまま進めていけば問題なさそうじゃない?
Pああ……
 
結華
……?
プロデューサー? どうかした?
Pん。あ、いや……この最後のメモが、なんとなく……
咲耶にしてはちょっと……
 
結華
え?
……『結華、プロデューサーへ』
 
結華
『ふたりを待っていたかったけれど、
状況を考えてみんなで少しばかり進めておいたよ』
 
結華
『私たちは大丈夫。心配しないでほしい』
 
結華
『お仕事、本当にお疲れ様』……
Pああ
 
結華
…………
 
結華
……そ?
三峰は別におかしな文章だとは思わないけどなー
 
結華
……それにほら
 
結華
『大丈夫』って言ってる間は、
信じてもらえた方がありがたいじゃん?
P……えっ、いや……
 
結華
——なーんて言っても、
きっとPたんは心配しちゃうんだろうけどね〜?
Pそ、そんなことない
信じてるぞ、ちゃんと……
 
結華
でもそれと心配とは別なんでしょ?
 
結華
無闇に助けたりはしないけど、
いざという時には颯爽と駆けつけちゃうのが——
 
結華
我らがプロデューサーさん、だもんねぇ?
Pこら、からかうんじゃない
ま、ただの杞憂かもしれないしな
 
結華
あらら、三峰信用なーい
今のはからかってなかったのになー
 
結華
——さてと!
そしたら三峰はきりりんの掃除を手伝ってこようかな
 
結華
ノート、全部読み終わったら次貸してねー?
P(うん……)
P(……本当に気のせいならいいんだが……)

モテク・ナ・デココ

P——それじゃ、俺と霧子はこのまま打ち合わせに行くよ
P摩美々は衣装合わせだったよな
場所は大丈夫そうか? 地図、送ったと思うけど……
 
摩美々
…………
 
霧子
ま……摩美々ちゃん……?
 
摩美々
……っ……
 
霧子
だ、大丈夫——
 
摩美々
っくしゅ——……!
 
摩美々
……はぁい、大丈夫ですー
地図も届いてますー
P……風邪ひいたんじゃないか?
 
摩美々
んー、こほっ……喉がちょっとだけー
この間の倉庫が埃っぽかったせいかもしれませんー
 
霧子
お薬……あるかな……
待ってて……
 
摩美々
薬なら自分でも飲めるケドー
……くしゅっ……まぁ、仕事終わったら事務所に戻るんでー
 
霧子
うん……気を付けてね……
じゃあ、後で……
 
咲耶
このパニーニとブレンドを……
ええ、店内で
 
咲耶
ありがとう……いい香りだ
素敵なお嬢さんに淹れてもらえたからかな
 
咲耶
ただ時間を潰すだけのつもりが、
思いのほか素晴らしい休息となりそうだよ
 
咲耶
カウンター席からキミの仕事を見ていても良いかい?
その笑顔を眺めながらの味は、きっと格別だろうからね
 
結華
——ひどいじゃないあなた、私とは遊びだったの?
この貸し、それなりに高くつくわよ?
 
咲耶
やあ、結華じゃないか!
 
結華
お疲れー
——あ、店員さん、私はハムサンドとアイスティー店内で!
 
結華
……でもさ、ほんと流れるように王子だよね
三峰ずっと後ろにいたのになかなか声かけられなかったよ
 
咲耶
そうかい? このあと一緒に仕事なのだから、
すぐにも声をかけてくれて良かったのに
 
結華
さくやんと会うのも久しぶりだし、
第二の王子でいくかいい感じのお姉さんでいくか迷ってさぁ
 
結華
……ていうか、この間はごめんね
結局ミーティング参加できなくって……
 
咲耶
ああ……
まとめたノートはお役に立てたかな?
 
結華
それはもう!
ほんと助かったよー、おかげでみんなの話についていける
 
咲耶
フフッ、それはよかった
……けれど、結華に会えることを私は楽しみにしているんだ
 
咲耶
次こそは、顔を見せてくれることを願っているよ
 
結華
おっけー任せて!
次はさくやんを悲しませない!
 
咲耶
ああ、遠くても言葉を伝える手段はあるけれど、
こうして眼差しを合わせる会話とは違うものだからさ
 
結華
……やっぱり、直接じゃないと違う?
さくやん、たとえば……寂しかったりする?
 
咲耶
ん? フフ、そんなことは……
 
咲耶
……いや……そうだね
少しだけ寂しく感じることもあるよ
 
咲耶
けれど、こうしてたまに会えるだけで、
すぐさま元気になれるんだ
 
咲耶
だから平気さ
 
結華
平気かぁ、さくやんはガードが固いなぁ
 
結華
……でもさ? 完璧な王子が物憂げにしてたら、
気になっちゃうのが乙女心ってやつでしょ?
 
結華
三峰的にはそういう……平気じゃないところ、
ぶっちゃけてもらえたら嬉しいなー……みたいな?
 
咲耶
ん……?
 
咲耶
そう言われても……フフッ
今日の結華はいたずらっこだね、私の心を惑わせる
 
咲耶
けれど、うーん……思いつかないな
今、この時間が幸せすぎて……
 
結華
幸せー……? ほんとにー?
 
咲耶
ああ、この瞳が嘘を言っているように見えるかい?
 
結華
——じゃあ、そんなさくやんには別の質問
最近のバラバラなアンティーカについてはどう思う?
 
咲耶
え……?
 
結華
この頃、5人で揃っての仕事ってあんまりないでしょ?
もちろん、目の前のことは頑張らなくちゃだけど——
 
咲耶
ああ……ん……
 
結華
そういうの、さくやん的にはどうなのかなって
 
咲耶
……ああ、もちろん。みんなが認められて、
輝いて、愛されているということだろう?
 
咲耶
私にとってそれ以上のことはないよ
 
結華
……
 
結華
…………あのさ。さくやん
 
咲耶
あっ……結華、見てごらん
店の外、霧子とプロデューサーだ
 
結華
——え。……うわっ、待ち合わせの時間過ぎてるじゃん!
三峰たちのこと探してるよね!?
 
咲耶
……喫茶店で過ごす時間は魔性だね
先に声をかけてくるよ。最後の一口を飲み干したらおいで
 
結華
あ、うん、ありがとさくやん
でも——
 
結華
……
 
結華
——————……
P……ふー……
遅くまでお疲れ様、みんな……あれ——……?
 
咲耶
ああ、結華と霧子なら薬局に向かったよ
Pお……そうだったのか
気付かなかったな……
 
咲耶
おや? ふたりはアナタにも声をかけていたけれど……
 
咲耶
……今日はだいぶお疲れのようだね
Pああいや、すまんすまん
まだまだ疲れちゃいられないのにな
Pもうすぐ長期ロケもあるし……!
あ、ロケの進行表、あとで送っておくな
 
咲耶
……ああ、楽しみにしているよ
P久しぶりに全員揃っての現場だな!
やっとアンティーカらしい仕事だぞ
 
咲耶
アンティーカらしい……そうだね
——————でも……
 
咲耶
アンティーカとしての活動がなくても、
みんなは困らないんじゃないかな?
P……ん? どうして
 
咲耶
みんなそれぞれ認められていて、
個人の仕事でも充分活躍してるじゃないか
 
咲耶
恋鐘も、摩美々も、結華も、霧子も……
アンティーカがなくても輝いている……
 
咲耶
……彼女たちが輝けるのなら
 
咲耶
きっと、それは、『ここ』じゃなくたって——
 
咲耶
283プロでは、必ずしもユニットに所属しなくては
ならないってわけじゃないんだろう?
Pそれは……
P……よかったら、
奥でゆっくり話を聞かせてくれないか
 
咲耶
いや、そんな大したことじゃないんだ
たわむれに聞いてみただけさ
Pまあまあ、近頃はくつろぐ時間も無かったし
久しぶりに咲耶のコーヒーが飲みたいな
 
咲耶
おや、嬉しいことを言ってくれるね
それなら喜んでご用意させていただくとしよう
 
咲耶
フフッ、でも本当に……なんでもないんだ
 
???
————————
 
???
……っ……
 
???
……くしゅっ……
 
霧子
ただいま……
 
結華
うわ、まみみん!?
どしたの、そんなとこ隠れて!
 
摩美々
……隠れてるわけじゃ、なかったんだケドー
 
霧子
な、何か……あったの……!
 
摩美々
んー…………
 
摩美々
別にー……
……くしゅっ

リハーサル前

リハーサル後

ヤケイン・イウトヨ

P摩美々! お疲れ様
P最後の目を伏せたポーズとか、
夜の雰囲気と合っててよかったぞ
 
摩美々
……別に
ただ眠くなってきただけですよー
Pはは、じゃあそういうことにしておくか
何か飲むか?
 
摩美々
んー……メロンソーダ
上にソフトクリームが乗ったやつでー
Pそれは山奥では難しい注文だな……
オレンジジュースでいいか?
 
摩美々
んー
P摩美々、恋鐘、霧子……
ここまでの撮影は順調だ
P明日からはアンティーカ全員の撮影になる
咲耶と結華も夕方には到着するから
 
摩美々
はぁい
……そういえば
 
摩美々
……………
 
摩美々
……やっぱりなんでもー
Pん? なんだ気になるじゃないか
 
摩美々
……んー……
 
摩美々
この間、咲耶とプロデューサーが
廊下で話してるの、聞いちゃったんですよねー
Pこの間…………
! ああ、事務所の廊下の……あの時か
 
摩美々
……でもプロデューサーと話したんだから、
もう解決済みかなって……
 
摩美々
なので、別になんでもないですー
P……
そうか…………
 
摩美々
……違うんで
そういうつもりじゃないんでー
 
摩美々
プライベートな話に
踏み込んだりしませんからぁ
P…………
Pうん……そうだな
確かに、俺から言うことじゃない
Pもしなにか気になるようだったら、
摩美々から話を聞いてやってくれ
 
摩美々
……そういうのは
プロデューサーの方がいいと思いますケドー
Pああ! もちろん俺も聞くさ
Pだけど、今の咲耶には、
摩美々やみんなの力も必要なんだと思う
 
摩美々
…………
 
摩美々
そんなに大変な感じなんですかぁ?
P……どうだろう?
本人は『なんでもない』と言っていたな
 
摩美々
じゃー、平気なんじゃないですかぁ
Pああ。だから平気なのかもしれない
 
摩美々
はぁ……よくわからないですケド……
 
摩美々
——オレンジジュース、もらっていきますねー
先に恋鐘と霧子のところに戻ってますー
Pああ、俺もすぐに行くよ
宿舎にはみんなで向かうから待っていてくれ
 
摩美々
はぁい
P(…………)
P(……咲耶の問題ではあるけれど……)
P(ひとりの問題にみんながどう向き合うか。それがきっと)
P(今のアンティーカにとって大事なことなんだ————)
 
恋鐘&霧子
……
 
恋鐘
り〜ん!
 
霧子
……ころころころ
 
霧子
…………りーん
 
恋鐘
ころころころ……
 
恋鐘&霧子
り………………
 
霧子
ふふっ……
 
霧子
もう一回……
恋鐘ちゃんの番から……どうぞ……
 
恋鐘
気にせんでよかよ〜!
好きな時に鳴けばよか!
 
霧子
うん……!
好きな時に……
 
恋鐘&霧子
…………
 
恋鐘&霧子
りーん
 
霧子
——あ、恋鐘ちゃん……
向こうのライト……消えたみたい……
 
恋鐘
ほんとやね!
撮影、終わったとかな〜
 
恋鐘
摩美々とプロデューサー、
きっと戻ってくるけん、荷物まとめとかんば!
 
霧子
うん……ふふ……
待ってる間に……散らかしちゃった……
 
摩美々
……——ただいまぁ
 
恋鐘&霧子
……!
 
恋鐘
ど、どがんしたとね、摩美々……!
泥だらけやかね……!
 
摩美々
……戻ってくる途中で転んで……
オレンジジュースが飛んでってー
 
霧子
摩美々ちゃん……こっち座って……!
タオル……持ってくるから……!
 
恋鐘
あと、救急箱もどっかにあったはずばい!
えっと、えっと……!
 
摩美々
大丈夫ー、怪我はしてないから
 
恋鐘
なんば言いよっと! ちゃんと確かめんば!
……なしてこがんびしょびしょになっとると!?
 
摩美々
ちょっと暗くて……水たまりに気付かなくて……
ばしゃーんっ……て——痛っ……
 
恋鐘
ほら〜! どっか打ったに違いなか!
 
霧子
摩美々ちゃん……
泥……お水で流してもいい……?
 
恋鐘
宿に着いたら、すぐお風呂やね!
また風邪でも引いたら大変やもん
 
摩美々
このくらい平気だしー
 
恋鐘
そがん泥んこになって言いよってもダメばい〜!
絶対平気じゃなかけん!
 
摩美々
…………
 
恋鐘
なして呼んでくれんかったと?
大声ば出したら絶対気づいたとに……
 
摩美々
大声とか、めんどーだしー……
 
恋鐘
そこは頑張ってほしか!
猛ダッシュで飛んでくばい!
 
恋鐘
やけん、ちゃんと言うとよー! わかった!?
 
摩美々
……その暑苦しいとこ……
誰かさんみたい……
 
摩美々
…………
 
摩美々
——わかりましたぁ
じゃー、言いまぁす
 
摩美々
——咲耶が話してた、
解散の可能性についてー

ねえ、アンティーカ

 
結華
とうちゃーく! 長旅お疲れ様でしたー!
迎えの車は——まだみたいだね
 
咲耶
ああ……待つ間、そこの波打ち際でも散歩するかい?
海から道路も見えそうだし……なにより
 
咲耶
ふたりだけの静かな夕焼けだ
 
咲耶
……海は好きかい?
 
結華
え? あっ、うん
たまにはいいかなって感じ……!
 
咲耶
——みんなと合流するまではゆっくりするといいよ
もしひとりになりたいようだったら少し離れているから
 
結華
うん……? さくやんがこっちに誘ったのに
三峰ひとりにされちゃう感じ……?
 
咲耶
ああ……すまない、そういうわけではなくて……
 
咲耶
今日も仕事が終わってすぐ電車で移動だったろう?
結華が疲れているんじゃないかと心配になってね
 
結華
心配って……
 
結華
…………はぁ
 
結華
……
あのさ。心配なのは、さくやんの方だよ
 
咲耶
え……?
 
結華
最近、あんまり調子よくないでしょ?
三峰だってさすがにわかるよ?
 
結華
本当は元気がないのに笑ってる
そういうの、すっごく心配
 
結華
……ひとりで解決できることならいいけどさ
そうじゃないなら、話してよ
 
咲耶
……ありがとう、嬉しいよ
そんなふうに言ってくれるなんて……
 
咲耶
でも……そんな結華がそばにいるのに
一体、何の悩みがあると思う?
 
咲耶
私は本当に幸せなんだ
結華や、みんなのおかげでね
 
結華
——ねぇ、そういうところ。そういうところだってば
 
結華
誤魔化すの、やめてよ
わかるって言ってるじゃん
 
結華
私たちの前ではいつも笑顔だよね
じゃあいつ泣いてるの? ひとりで泣いてるの?
 
結華
…………
 
結華
……取り返しがつかなくなってからじゃ遅いんだよ
 
咲耶
ゆ、結華……?
 
結華
——言ってよ、見せてよ……!
さくやんの気持ち……!
 
咲耶
……すまない……なにか……
なにか私は結華を困らせているんだね……
 
結華
違う!
困ってるんじゃないっ……!
P——————……おーい……!
 
結華
プロデューサー……
と、みんなも……
P駅にいないから探したよ、携帯にも連絡したんだけど……
……どうした、何かあったのか?
 
結華
…………
 
恋鐘
ふたりともっ……おっつかれさま〜〜!!
……なっ……長い時間……大変やったやろ……!?
 
咲耶
ああ、恋鐘もお疲れ様
遅れての合流になってしまってすまない
 
恋鐘
そがんことよかよ!
……それより……咲耶……っ!
 
恋鐘
考えてることあったら……言わんばよ?
……摩美々に教えてもらったと!
 
結華
 
結華
……ほら、やっぱりなんかあるんじゃん
 
恋鐘
大事なことば考えとっとやろ?
はいっ、せ〜ので言わんば。せ〜の——
 
咲耶
ま、待ってくれ、恋鐘までなんの話……?
悩みなんて本当になにも無いんだ
 
咲耶
私がなにか誤解を招いたのだとしたら……
すまない、迷惑をかけて……
 
摩美々
………………
 
摩美々
…………迷惑じゃない
 
咲耶
……
そんなつもりじゃ……
 
咲耶
ただ、私はアンティーカのことが、
みんなのことが大好きで……大好きだから
 
???
『————ごめんな、今日も帰れそうにない』
 
咲耶
みんなが……
アンティーカに戻ってこなかったとしても……
 
???
『————夕飯、ひとりで食べておいてくれ』
 
咲耶
喜んで応援しなくちゃって……
 
摩美々
…………
 
恋鐘
——えっと、み、みんなが
アンティーカに戻ってこんってどげん意味?
 
霧子
みんなが……ソロ活動を頑張ったり…………
ってことじゃないかな
 
恋鐘
そいで、解散って思ったと?
……なんか……勘違いしとらん!?
 
結華
解散……!?
さくやん、それは——!
 
結華
……そんなの、さくやんの勘違いだよ
 
結華
——ねぇ、自分が誰よりも一番、
アンティーカを大事にしてると思ってた?
 
咲耶
————!
 
結華
……信じられなかった?
 
咲耶
…………
 
霧子
……あ、あのね、咲耶さん……
 
霧子
わたし……
アンティーカのことが、とっても大事……
 
霧子
でも……そんなふうに……
言葉にしたことがなくって…………ごめんなさい……
 
摩美々
…………
 
咲耶
…………
 
咲耶
——ハハッ……私はなんて……
なんてバカな……
 
恋鐘
バカじゃなかよ
きっと小難しかこと考えとったけん……
P…………
P……なあ、みんな
なんでこの5人をユニットにしたと思う?
 
一同
…………!
『仲間』に
なれると思った
みんなで、
支えあえるように
直感では
あったけど……
P がむしゃらに力を合わせることよりも
お互いを信じて、背中を預けることの方が難しい
P考えていることや、見えているものが、
それぞれ違っていたとしても
Pみんなを見ていると
運命だったんじゃないかって気もするんだ
P でも……恋鐘、摩美々、咲耶、結華、霧子
みんなはそれぞれ違った優しさや勇気を持っていたから……
Pお互いを信じて、
————運命を切り開いていける
P実際、一生出会わなかったかもしれない5人が
ひとつの場所にいるって奇跡的なことじゃないか
P この5人ならそれができる
どんな荒波も乗り越えていける……そう思ったんだよ
P恋鐘、摩美々、咲耶、結華、霧子
みんなを見て……そう感じたからなんだよ
Pきっとみんなは——
仲間になるべくしてなったんだ
 
一同
……………っ
Pだから……アンティーカは
ここにいるみんなのための居場所なんだ
P……そのことを……忘れずに覚えていてほしい
 
一同
はいっ——————!
 
咲耶
…………
 
咲耶
すまない、みんな……
今回はみんなに迷惑をかけて——……
 
咲耶
……いや……ううん……——
 
咲耶
私……今度こそ、約束するよ……!
 
咲耶
みんなを信じて——頼りにするって

感謝祭本番前

ユニット

Pいくぞ、みんな!
 
恋鐘
うんっ! いくよー……
 
恋鐘
——うちらが宇宙一ばーい!
 
一同
アンティーカ——!!

個人

感謝祭本番後

通常

Pお疲れ様、みんな……!
最高のライブだったぞ
 
恋鐘
んふふ〜! ば〜りばりばい〜!
だって——
 
一同
——うちらが揃えば最強たーい!
 
恋鐘
ちょ……なんね〜……!?
 
結華
あははっ! 今のめちゃくちゃ揃いすぎじゃない!?
すごい団結力……!
 
摩美々
ついでにお揃いのハチマキでも作るー?
『アンティーカ命』みたいな……
 
咲耶
フフッ……! それはいいね……
ッ……おなかが痛い……
 
結華
ほらまみみん! よくわかんないところで
さくやんがツボに入っちゃったじゃん!
 
霧子
——ふふっ……!
 
咲耶
ハハ……——!

MVP

 
恋鐘
や、やった〜〜〜〜!
うちらが……MVPばい〜〜〜〜!!
 
恋鐘
は、はよステージに行かんば……!
み〜んな、呼んでくれよる!!!
 
結華
あっ、待って待ってこがたん!
——いいよねっ、プロデューサー?
P……ああ、もちろんだ。
最高のアンティーカを見せつけてこい!
 
一同
はいっ——!
 
恋鐘
んふふ〜!
また戻ってきたばい〜〜!!
 
恋鐘
みんな、アンティーカば呼んでくれてありがとう……!
たっくさん応援してくれたこと……ばーり嬉しか!
 
恋鐘
——えっとねぇ
うちはアンティーカを、船みたいなもんって思っとると
 
恋鐘
みんな別々に生きとったのが、
ふとしたことで乗り合わせてここにおるとやけど
 
恋鐘
一緒に海の地図ば広げて……
——あ、かいずって言うと?
 
恋鐘
そこにも載っとらんような
あったらしい陸はなかかなって、探しよると!
 
咲耶
それは海の向こうの世界……?
 
恋鐘
うんっ! 宇宙でも、海の底とかでもよかっ!
みんなで冒険して、スリルもば〜りばりばい〜!
 
結華
おーいこがたん、三峰たちアイドルだよー
そこまでいったらバラエティだって
 
結華
楽しそうではあるけど——
どっちかって言うと、ドキュメンタリーにしときたくない?
 
摩美々
『緊急出動24時! アンティーカは見た』かぁ
 
結華
それはヤバい事件的なやつだよね!?
 
摩美々
『火曜アンティーカ劇場』
『〜倉庫のほこりはアブナイ香り〜』……
 
結華
その香りはまみみんが風邪ひいちゃうからNGです!
 
霧子
あ、あの……
お散歩する番組とかも……どうかな……
 
咲耶
クスッ……どれも素敵だね
——みんなでたくさんの寄り道をしよう
 
恋鐘
よかね〜!
どがん道でも、みんなで行けばば〜りばりに楽しかよ!
 
恋鐘
やけん、みんなも一緒に来てほしか!
一緒に海図を広げるとよ! そいで——
 
一同
ッ——!
 
一同
運命の鍵を、回そうーッ——!!

——うん、アンティーカ

 
恋鐘
——台本よ〜し! ペンよ〜し! ハンカチよ〜し!
そいで、大事なお弁当も——
P恋鐘ー! 先に行ってるぞー!
P車を回してくるから、準備ができたら下で待っていてくれ!
Pおっ、咲耶!
 
咲耶
お出かけかい、プロデューサー
すれ違いとは残念だね……
Pあっ、悪いがはづきさんが出社したら
今日は直帰の予定だと伝えてくれないか
 
咲耶
ああ、わかった——
……このやりとり、前にもしたような気がするね
Pはは、そういえば確かに! 覚えがあるな
 
恋鐘
いってきま——……あっ、咲耶——!
 
咲耶
ハハッ……この流れだと、
恋鐘はプロデューサーと一緒にお出かけだね
 
恋鐘
流れ……!?
うち、咲耶に聞きたかことのあっとよ!
 
恋鐘
ちゃんぽんと皿うどん、どっちがよか!?
 
恋鐘
感謝祭、大成功やったやろ?
みんなで打ち上げばしたか〜!!
 
咲耶
フフッ、それは大賛成だ。私はどちらでも……
みんなが食べたい方が嬉しいけれど……
 
咲耶
——今の気分は、
どちらかというとちゃんぽん……かな?
 
恋鐘
よしっ、ちゃんぽん確定! あと——
P悪い、恋鐘
そろそろ時間が……
 
恋鐘
あっ、ごめんプロデューサー!
そいじゃあ咲耶、他にも食べたかもん考えとって!
 
恋鐘
うち、うまかもんい〜っぱい作るけん
みんなで食べんばね!
 
咲耶
ああ、とっても楽しみにしてるよ
いってらっしゃい
 
結華
こがたん待って——あっ、さくやん!
こがたん、もう行っちゃった?!
 
咲耶
ああ——ちょうど今行ったところだから、
まだ階段下にいるんじゃないかな
 
結華
よかった!
またお弁当忘れてるんだもん……!
 
結華
——よし、今度は間に合わせてくるね
で、三峰はそのままレッスンいってきます!
 
咲耶
ハハ、いってらっしゃい
楽しいレッスンになるように願っているよ
 
結華
まっかせなさい!
楽しく踊った成果は全体練習で披露するからー!
 
咲耶
フフッ……
 
咲耶
忙しいのは良いことだ……
 
摩美々
あれー……おはよー
 
霧子
おはよう、咲耶さん
 
咲耶
やあ! 摩美々、霧子
今日は良い朝だね
 
摩美々
咲耶、今日は午後からじゃなかったぁ?
 
咲耶
ああ、そうだよ
だけど早く来たおかげでふたりに会えた
 
摩美々
はいはぁい
……ふふー
 
霧子
あの、咲耶さん……
さっき摩美々ちゃんと……サンドイッチを買ったの……
 
霧子
つい……たくさんになっちゃって……
よかったら……みんなで食べない……?
 
咲耶
ああ、ぜひ! 嬉しいお誘いをありがとう
それなら私もとっておきのコーヒーを淹れようかな
 
霧子
わぁ……! 咲耶さんのコーヒー……!
 
摩美々
コーヒー……ちょっとは慣れたケド
今日はコーヒーじゃない気分ー
 
咲耶
それなら紅茶も淹れようか?
実はまだ披露してない茶葉があって……

ふねがでます