新春!283式かるた大全
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新春!283式かるた大全 | |||||
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開催期間 | 2019/1/1〜2019/1/11 | ||||
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新春!283式かるた大全は、2019年1月1日〜2019年1月11日の期間で開催されたプロデュースイベント、及びイベントをクリアすることで閲覧できるストーリーのこと。
目次
概要
- 283プロ合同で行われるユニット対抗かるた大会のために練習する各ユニットの姿を描いた物語。
- イルミネーションスターズ・アンティーカ・放課後クライマックスガールズ・アルストロメリアのメンバー、及び同時開催のガシャのピックアップアイドルをプロデュース(サポートカードは編成に加える)することでイベントポイントを獲得し、イベントショップで報酬と交換することができる。
- これまでは「ユニットメンバー全員を編成してフェスアイドルを誕生させる」というミッションだったが、今回からは「ユニットメンバーの誰か一人を編成してフェスアイドルを誕生させる」という少し難易度の下がったミッションとなった。
- 直前のイベント「オペレーション・サンタ!〜包囲せよ283プロ〜」がユニット越境の会話を盛り込んだシナリオだったが、今回は各エピソードがユニット別で独立しており2話×4ユニットの8話構成となっている。エピソードタイトルに絡めたワンシーンが語られ、最後はユニットロゴを背景に熟語の意味とエピソードのオチが語られる構成となっている。
- エピソードタイトルは一箇所濁点が混ざっているものの、濁点を無視すると頭文字が「あけおめことよろ」という縦読みになっている。[1]
イベント報酬
イラスト | レアリティ | カード名 |
---|---|---|
SSR | 【娘・娘・謹・賀】幽谷 霧子 | |
SR | 【紅いろは、白】有栖川 夏葉 |
オープニング:あたま隠して尻隠さず
樹里 | じゃあ読むぞー |
樹里 | ——『頭隠して尻隠さず』 |
果穂 | はいっ! |
夏葉 | そこっ! |
凛世 | ……! |
智代子 | え、ええ〜っ……? みんな、すごいね……! |
樹里 | 一番早かったのは——果穂だな |
果穂 | やったぁ! やりました! |
夏葉 | 見事よ、果穂 狙った札は逃さないという気概を感じたわ |
果穂 | え!! |
果穂 | な、夏葉さんスゴいです……! どうしてあたしが これを狙ってたってわかったんですか……!? |
樹里 | まぁ、見てりゃあな…… |
凛世 | 視線……姿勢…… 気…… |
夏葉 | その通りよ 果穂から覚悟のオーラが見えたもの! |
果穂 | 覚悟のオーラ……! |
果穂 | はい……! あたし、目の前の3枚は 誰にも渡さないって気持ちで……! いました……! |
夏葉 | ええ、いい意気込みね 本番もそうやって、『決め札』を作っておきなさい |
夏葉 | この札は絶対に逃さない…… そういう気持ちが、トップに導いてくれるはずよ! |
樹里 | そーだなぁ 今回は、うちだけの遊びってわけでもねーしな |
智代子 | ユニット対抗の『かるた大会』だもんね |
智代子 | めぐるちゃんとか咲耶ちゃんとか、 手強そうな子はいっぱいいるし……! |
凛世 | ふふ…… 望むところです…… |
夏葉 | 親睦を深めるのが目的という話だったけれど、 だからこそ、本気でぶつかり合う必要があると思うの |
夏葉 | ——みんな、心して練習するわよ! |
一同 | おーっ! |
樹里 | よーし、1セット終わり! みんなお疲れー |
樹里 | ってことで、そろそろ昼休憩にしねーか? |
智代子 | 樹里ちゃん……! 私も、それが言いたかった……! |
樹里 | だよな じゃあキッチン借りてなんか作っちまおうぜ |
果穂&夏葉 | え!? |
智代子 | さんせーい! まっかせて! 冷蔵庫の中、何があったかな〜 |
果穂&夏葉 | !! |
果穂 | あっ、あの! あの……!! |
果穂 | 樹里ちゃん、ちょこ先輩! 待ってください……! |
智代子 | ? |
樹里 | どうした? |
果穂 | い、今、キッチンに行ったら——! |
果穂 | あっ……! え、えーと……! |
夏葉 | ——そうね、ふたりともちょっと待って キッチンに行くのはやめておいた方がいいわ |
樹里 | なんだよ、向こうに何かあんのか? |
夏葉 | そっ——そんなことはないけれど……! |
樹里 | んー……? |
樹里 | ……うーん…… なんか、美味そうな匂いがする……? |
果穂&夏葉 | ! |
智代子 | 樹里ちゃん……! 私も……! 私も、それが言いたかった……! |
凛世 | ……かつお…… |
夏葉 | あ、あら……! そんなことはないんじゃない……!? |
凛世 | 台所に…… 真実がございましょう…… |
智代子 | そうだよね、とりあえず行ってみようよ! |
樹里 | ——だな |
果穂 | あっ……! |
夏葉 | アナタたち、待ちなさいったら……! |
智代子&樹里 | ん〜〜〜〜……? |
凛世 | …… |
樹里 | ……何も見当たんねーな…… |
智代子 | そうだね…… |
夏葉 | ほ、ほらっ。気のせいだったのよ、気のせい! ねえ果穂? |
果穂 | は、はいっ! あたしも、そうだと思います!! 気のせいです! |
樹里 | ん〜〜……—— |
樹里 | ——……あれ? あの本——…… |
智代子 | 樹里ちゃん? なになにー? |
樹里 | や、これがさ…… 『ニッポンお雑煮マップ』…… |
果穂 | わっ、わわっ……! |
夏葉 | だ、ダメよそれは——! |
智代子 | お雑煮…… |
智代子 | あ、そっかぁ。これ、お雑煮の匂いだったんだ! |
樹里 | それだ……! |
樹里 | ってことは、ふたりが隠そうとしてたのは—— |
果穂 | 夏葉さんごめんなさいっ……! |
果穂 | せ、せっかくのサプライズ、だったのに あたしが……本を……うぅ〜…… |
夏葉 | いいえ…… アナタのせいだけじゃないわ、果穂…… |
夏葉 | 『頭隠して尻隠さず』…… 気が回らなかったのは、私も同じよ…… |
果穂&夏葉 | …… |
凛世 | …… |
凛世 | ふふ…… |
凛世 | かつおと…… こぶの出汁…… |
凛世 | 名古屋風の…… 仕立てでございましょう…… |
夏葉 | え? ええ…… |
樹里 | へぇ、名古屋風かぁ……! |
智代子 | それって、夏葉ちゃんのおうちの味ってことだよね? 楽しみだなぁ……! |
果穂 | でも…… |
凛世 | 隠し事は……見つかれど…… 味までは…… |
樹里 | ああ。凛世の言うとおりだ 食べる時が本当のサプライズ…… |
樹里 | だろ? |
果穂&夏葉 | ——っ! |
夏葉 | ……そうね、そうよね! まだ実食のお楽しみが残っているものね! |
智代子 | そうそう! 一番のイベントがまだなんだから! きっと美味しくってびっくりしちゃうんだろうな〜! |
夏葉 | もちろんよ! みんなをあっと驚かす準備は整っているわ! |
夏葉 | ねぇ、果穂! |
果穂 | はいっ! まだ『あれ』が見つかっていませんから! |
樹里 | お。他にもまだあんのか? |
夏葉 | うふふ、最近凝っているスーパーフードがあるのよ |
夏葉 | 『あれ』を入れれば、 きっと、もっとサプライズなお雑煮になるはずだわ |
智代子&樹里 | !! |
凛世 | 『あれ』…… |
夏葉 | そうと決まれば、果穂! 急いで仕上げをしちゃいましょう! |
果穂 | ラジャーです、夏葉さんっ |
果穂 | おもちを焼いて、冷蔵庫のもち菜とお出汁を温めて お椀に——ですよね! |
夏葉 | ええ! |
樹里 | お、おい、チョコ……! 凛世……! |
樹里 | スーパーフードこそ…… 隠さなくてよかったやつだよな……!? |
凛世 | ふふ…… |
智代子 | 探さなきゃ……! 夏葉ちゃんたちより先に……! |
智代子 | 美味しそうなお雑煮に、入っちゃう前に——! |
果穂 | せーのっ |
一同 | 『頭隠して尻隠さず』 |
一同 | 『部分だけを隠して、すべてを隠したつもりでいること』 |
果穂 | でもでも、サプライズは大成功です! 夏葉さん! |
第1話:げたと焼き味噌
甘奈 | ——はい! |
千雪 | わぁ……! 甘奈ちゃん、ゲット! |
甘奈 | えへへー☆ でも、札の数はまだ甜花ちゃんが一歩リードだね |
甜花 | う、うん……! |
千雪 | 残り19枚、ふたりとも頑張って! |
甜花 | 『あ』と『ま』は…… 甜花が、取る……! |
千雪 | ふふ、『な』はさっき取ってたもんね |
甘奈 | えー!? 甘奈だって、甜花ちゃんの名前は渡さないよっ! |
千雪 | ふふ。じゃあ次の札、読むね |
千雪 | ——いきます 『下駄と焼き味噌』 |
甘奈 | うわぁ! 千雪さんすごーい! |
甘奈 | 『永』『久』『平』『和』…… 4文字もあるのに全然ナナメってない! |
甜花 | 千雪さんの字…… 優しい……感じ……! |
千雪 | ううん……! すごいってほどじゃないの あんまりお手本にならなくてごめんね |
甘奈 | そんなことないよ! いいなぁ、甘奈、 あんまり筆で書くの得意じゃないんだよねー |
甘奈 | どうしたら、千雪さんみたいに 綺麗に書けるようになるかなぁ? |
甜花 | 甜花も……知りたい……! |
千雪 | 本当に、そこまでじゃないんだけど…… でも、そうだなぁ |
千雪 | ふたりとも…… もっと、気持ちを乗せられる言葉にすると良いのかも |
千雪 | まずは、『永久平和』よりも 自分にしっくりくるものを書いちゃうの |
甜花 | 自分に……しっくり……? |
甘奈 | 気持ちを……乗せる…… |
千雪 | そう……! |
甘奈&甜花 | ……! |
甘奈&甜花 | …… |
千雪 | …… |
甘奈&甜花 | できた……! |
甘奈 | 甘奈は、『永久たのしー☆』 |
甜花 | 甜花は……『永久コンボ』……! |
千雪 | わぁ……! ふふ、とっても個性的……! |
千雪 | うん……! ふたりの言葉って感じがして、好きだなぁ |
甘奈 | ……えへへっ |
甘奈 | ちょっとナナメっちゃったけど、 甘奈も、イイ感じに書けたーって思ったんだ! |
甜花 | 甜花も……! 今日で一番の出来……! |
千雪 | ふふっ…… 『下駄と焼き味噌』ね |
甜花 | 焼き味噌…… お味噌……? |
千雪 | うん、この前かるたに出てきたでしょ? 似てるけど、全然違うものっていう意味 |
千雪 | それを思い出しちゃって |
甘奈 | そっかぁ |
甜花 | でも……ちょっと面白い…… 下駄とお味噌……全然、似てないのに…… |
甘奈 | ねー☆ |
千雪 | ふふ |
千雪 | ——ねぇ、甘奈ちゃん、甜花ちゃん 他にももっと、書いてみない? |
千雪 | 宿題の書初めをする前に、練習をするの 『永久平和』じゃなくて——ふたりの好きなものとか |
甘奈 | わぁ……! 楽しそうだねっ☆ |
甜花 | うん……! えっと……甜花は…… |
甜花 | ——甜花の、好きなのは……! |
甘奈 | 『ゲーム』! 確かに甜花ちゃんだ☆ そしたら甘奈はー…… |
千雪 | ——『お洋服』かぁ…… みんなでお買い物に行ったの、楽しかったよね |
甜花 | 千雪さん…… なんて書くの……? |
千雪 | 私はね——…… |
甜花 | 『いちご大福』……! 好きなの……? |
千雪 | うん 大福もいちごも好きだから、好きなものの詰め合わせなの |
甜花 | そっか……! |
甘奈 | あ! 甘奈いいこと思いついたよー☆ |
千雪 | ……『美味しい』…… 『いちご大福探し』……? |
甘奈 | そう! 今度みんなでやるの! だからこれは抱負みたいな感じ! |
甜花 | にへへ…… なーちゃん、ナイスアイディア…… |
千雪 | そっか、そうね……! ふふっ、ありがとう |
甘奈 | んーん! ありがとうはこっちだよー! 千雪さんのおかげで、お習字、すっごくイイ感じだもん! |
甜花 | うん……習字、楽しいの…… 初めて…… |
甘奈 | ——あっ! でも待って! まだ大事なこと書いてない! |
甜花 | あっ……甜花も……! |
甘奈 | できたよ—— |
甘奈 | 『甜花』! |
甜花 | 『甘奈』……! |
千雪 | ふふっ…… こっちも、下駄と焼き味噌 |
千雪 | 似てるけど、違う…… とっても素敵な女の子たちの名前 |
甘奈&甜花 | ……! |
甘奈&甜花 | えへへ |
甘奈 | でもでもっ、これだけじゃないもんねー☆ |
甜花 | ねー……! |
千雪 | ? |
甜花 | 甜花、次は…… 千雪さんって、書く……! |
甘奈 | うんっ、甘奈も! |
千雪 | あはは、ふたりとも……! 『さん』はいらないのよ? |
甘奈 | えへへ。でも、『千雪さん』だもーん☆ |
甜花 | だもーん……! |
千雪 | じゃあ私も……『甜花ちゃん』と、『甘奈ちゃん』 |
千雪 | それに—— 『アルストロメリア』も、書かなくっちゃ |
甘奈 | せーの☆ |
一同 | 『下駄と焼き味噌』 |
一同 | 『見た目はそっくりだけど、中身は全然違っていること』 |
甜花 | またみんなで……習字、したいな…… |
第2話:おにに金棒
咲耶 | さあ、それでは次の札—— |
恋鐘 | はぁいっ! 取ったば〜い! |
恋鐘 | ——ん……? ……『さ』じゃ……なかと……? |
霧子 | こ、恋鐘ちゃん……! |
摩美々 | はぁい、恋鐘お手つきー |
結華 | やっちゃったねぇこがたーん これは三峰、次でトップに躍り出ちゃうかなー? |
咲耶 | フフ、面白い展開じゃないか それじゃあ、もう一度読み直しといこう |
結華 | おっけー |
霧子 | う、うん……! |
摩美々 | どうぞー |
恋鐘 | ん〜〜〜〜……つらかぁ……! |
咲耶 | いくよ |
咲耶 | ——『鬼に金棒』 |
恋鐘 | 寝たら……終わりばい…… |
霧子 | こ、恋鐘ちゃん……無理しないで…… |
咲耶 | フフ…… 終わりというのは、いささかオーバーじゃないかな |
咲耶 | 私たちは、 これから新しい一年を生きようとしているのだから |
恋鐘 | 咲耶……。そん一年を…… うちは初日の出を見るところから始めたかとよ……! |
恋鐘 | だから——……! |
摩美々 | ……ちょっと恋鐘ー ゆらゆらしないでくれるー……? |
恋鐘 | 摩美々……! 摩美々、うちが寝そうになったら…… ここんとこギューってつねってもらいたか! |
摩美々 | え…… |
摩美々 | いいのー? |
恋鐘 | よか……! じゃないと、うち…… 日の出前に寝てしまう気がするけん…… |
恋鐘 | 日の出も……初詣も…… うち……起きときたか……! |
摩美々 | ふふー もしもの時は遠慮なくいくねー |
摩美々 | ……とりあえず今、試しにつねっておくー? |
結華 | あーあー……こがたん、このままじゃ、 新年早々ほっぺがのびちゃうよ? |
恋鐘 | ん〜……? |
結華 | いっそさぁ—— 大人しく、一回寝とく? |
結華 | ギリギリまで耐えるより、 一回寝て眠気覚ました方がいいと思うんだよね |
結華 | 何個か目覚ましかけとけばどうにでもなるでしょ! |
恋鐘 | 結華……! |
恋鐘 | そ、そいはよかね……! 結華の目覚ましやったら、ば〜り心強かぁ〜! |
恋鐘 | 鬼に金棒、結華に目覚ましばい〜! |
摩美々 | 寝るのは賛成ー ……起きるかどうかは保証しないケド |
咲耶 | フフ、きっと鬼よりも厳格に起こしてくれるさ |
結華 | あららー? なんか随分信頼されちゃってる? なんで三峰ひとりの大役みたいになってるの? |
結華 | さくやんとかきりりんとか、 ふたりも頑張ってくれていいんだからね? |
咲耶 | フフ…… |
霧子 | う、うん……! |
結華 | ——おっけ、じゃあ日の出は7時前だから…… 起きるのは5時ってことで! |
結華 | みんな、一旦おやすみ〜 |
一同 | おやすみ〜 |
結華 | おーい、こがたーん? じ・か・ん〜 |
恋鐘 | ……ん……んふふ〜…… よか……日の出ばい…… |
咲耶 | フフ、どうやら先を越されてしまったらしい |
結華 | そのようですねぇ…… どうしよっかな。こがたんが一番手強そうだけど…… |
摩美々 | ……すー……すー…… |
咲耶 | ……フフ、そうだね 恋鐘が起きてくれれば、他のふたりはなんとかなりそうだ |
咲耶 | ねぇ摩美々? |
摩美々 | …… |
結華 | あはは、さくやんの目は誤魔化せないって感じかな |
霧子 | 結華ちゃん、咲耶さん…… おはよう…… |
結華 | おっはよー |
咲耶 | 霧子、おはよう よく眠れたかい? |
霧子 | うん…… |
結華 | ねぇきりりん? 早速でごめんなんだけど、 こがたん起こすの手伝ってもらえるー? |
霧子 | う、うん……! |
霧子 | えっと……恋鐘ちゃん…… |
霧子 | …… |
霧子 | ふふ……恋鐘ちゃん…… 気持ちよさそう…… |
咲耶&結華 | …… |
咲耶 | ——さて、どうしようか |
結華 | うーん、ここで起きといた方が安全だとは思うけど…… |
恋鐘 | ……んふふ〜…… |
結華 | ——でもまぁ、あと1時間はいけるっしょ! |
咲耶 | そうだね すまない霧子、恋鐘を起こすのはもう少ししてからにしよう |
霧子 | ふふ、うん……! |
咲耶 | 摩美々も、もう少し寝ていて大丈夫だよ |
摩美々 | ……はぁい………… |
咲耶 | フフ…… |
結華 | じゃあ、今度は目覚まし6時ね 各自布団で待機〜 |
結華 | ——とは言ったけど、 三峰たちは起きてた方がいいよねぇ……? |
咲耶 | ああ——それに |
咲耶 | 布団に潜っておしゃべり、というのも、 お泊まりの醍醐味じゃないかな |
結華 | おおっ、第2ラウンドってことだね? じゃあ定番のネタいっちゃうー? |
霧子 | 定番……? |
結華 | こんな時こそアイドル談義でしょ! テーマは、『去年のアンティーカを振り返って』 |
結華 | 三峰はねぇ、たーのしかったよぉ |
咲耶 | ずるいじゃないか結華 楽しかったのが結華だけのはず、ないだろう? |
霧子 | そうだよ……結華ちゃん…… |
結華 | え? 負けないと思うけどなぁ じゃあいつ楽しかったか順番に言ってく? |
咲耶 | ああ、構わないよ |
霧子 | い、今…… |
霧子 | 今……楽しいな…… |
結華 | あっ、すごい速攻……! 次三峰ね—— |
恋鐘 | んん〜……? |
恋鐘 | んふふ〜……あと5分…… 5分したら…… |
恋鐘 | 起きるけん…… ………… |
結華 | ちょ、やばい——! みんな走って走って! |
摩美々 | ええー……? きっつー…… |
恋鐘 | う……うちが悪かったと〜〜〜……! |
咲耶 | いや、私たちまで寝過ごしてしまうとは……! |
霧子 | 頑張って……走らなきゃ…… |
恋鐘 | ん〜〜! おてんとさん、待っとって〜〜! あと少し……あと少しやけん〜……! |
一同 | ……! |
咲耶 | 日の出だ…… |
霧子 | ……綺麗…… |
摩美々 | …… |
結華 | ——……間に合って良かったね、こがたん |
恋鐘 | うん……! |
恋鐘 | ……きれかぁ…… |
摩美々 | ……まぁ、日の出は毎日あるんだケドね |
恋鐘 | そいとは、違うとー! |
恋鐘 | 今日のは、年に一回の特別なやつ〜! ば〜り縁起よかもんばい! |
恋鐘 | やけん、今年のうちらは『鬼に金棒』! |
結華 | ……んー? どういう意味? |
恋鐘 | み〜んなで初日の出見たけん、 今年はも〜っとすごか一年になるとよ! |
恋鐘 | 鬼に金棒、アンティーカに初日の出ばい〜! |
摩美々 | すごい理論ー…… |
咲耶 | フフ、新たなことわざの誕生だね |
霧子 | ふふ…… 鬼に金棒……アンティーカに初日の出…… |
恋鐘 | せーのっ! |
一同 | 『鬼に金棒』 |
一同 | 『強いものに何かがプラスされて、さらに強くなること』 |
霧子 | みんなで見れて……しあわせ…… |
第3話:めの上のたんこぶ
灯織 | あっ…… |
めぐる | えっへへー、いただきー! |
灯織 | っ……! すぐ手元にあったのに……! |
真乃 | ——ど……ドンマイだよっ、灯織ちゃんっ…… |
真乃 | すぐ側にあるのに、取れないと悔しいよね |
灯織 | ——うん……! 次のは、絶対に取る……! |
めぐる | どうかなー? 負けないよー? |
真乃 | ふふっ |
真乃 | 次の札は—— 『目の上のたんこぶ』 |
めぐる | うー……! おーわーらーなーいー……! |
真乃 | めぐるちゃん、大丈夫……? |
灯織 | 真乃、甘やかしちゃダメ めぐるはさっきから全然集中してないんだから |
真乃 | そ、そっか…… |
灯織 | 言ってるだけじゃ終わらないよ、めぐる うかうかしてたら、冬休みの方が先に終わっちゃう |
灯織 | 休み明け、確認のテストもあるんでしょ? いつまでもお正月気分でいないで、ちゃんと手を動かして |
めぐる | はーい……! |
めぐる | ……まだ余裕あると思ってたんだけどなぁ……! 冬休み、短いよー……! |
真乃 | ……ほんとだね |
真乃 | クリスマスがあって、年越しも、お正月もあって…… 気が付いたら、あっと言う間だったな |
灯織 | ……まぁ、夏休みと比べたら、 もともと日数も短いし…… |
めぐる | それなのに、宿題は変わらずしっかりあるんだもん…… |
灯織 | ……めぐる? |
めぐる | も、もちろん、いい加減にやったりはしないよ!? |
灯織 | ……ならいいけど |
真乃 | ふふっ |
めぐる | ううっ…… 笑わないでー、真乃ー…… |
真乃 | あっ、違うの、めぐるちゃん…… 今のはそういうのじゃなくてっ…… |
真乃 | 冬休み、楽しかったなって 改めて思って…… |
真乃 | 灯織ちゃんと、めぐるちゃんと…… 事務所のみんなと、一緒の時間もあって—— |
真乃 | すっごく、楽しいお休みだったから |
灯織 | 真乃…… |
真乃 | あの…… 紛らわしくって、ごめんね |
めぐる | ううん! そういうことならぜーんぜん! |
めぐる | わたしこそごめんね、勘違いしちゃった |
めぐる | でも、えへへー、そっかぁ……! 真乃も、このお休み、そんなに楽しかったんだぁ……! |
めぐる | わたしもね、一緒なんだ! クリスマスのパーティーも、 3人で見に行ったイルミネーションも、素敵な思い出っ |
めぐる | あとあと—— |
灯織 | みんなで鳥のまね、したりとか |
めぐる | それもだね! みんなでふっくらした鳥になった! |
真乃 | ふふっ、うん |
真乃 | そうやって、いっぱい楽しかったから——…… もう終わっちゃうのが、残念で |
めぐる | そうだねー…… |
灯織 | …… |
灯織 | ……だったら…… もう少し続けるっていうのは、どうかな |
真乃 | え……? |
灯織 | 楽しみなことが増えれば—— 少しだけ、お休み気分も延長できるかも、って |
灯織 | ……その…… |
灯織 | この後…… 私たちで初詣に……行く、とか…… |
真乃&めぐる | ! |
めぐる | 賛成さんせーいっ! 行こう、初詣! まだまだ思い出作っちゃおう! |
真乃 | うんっ……! |
灯織 | 良かった…… |
めぐる | じゃあ早く準備しなきゃ! コート、コート……! |
灯織 | ——あ |
灯織 | めぐる、待って |
めぐる | ? |
灯織 | ——この後、だから 宿題が終わってから、だよ |
めぐる | ええーっ!? |
灯織 | ええー、じゃない やるべきことは、ちゃんと終わらせなくちゃ |
灯織 | いつまでもお正月気分でいられないっていうのも、 本当だし…… |
めぐる | そんなぁ…… |
めぐる | 宿題…… これがほんとの『目の上のたんこぶ』だよー……! |
めぐる | ……でも、そう言ってばっかじゃ良くないよね……! 後で困るのはわたしだもんね……よーし……! |
めぐる | 待っててふたりとも……! 宿題、絶対あと1時間で終わらせてみせるから! |
真乃 | 灯織ちゃん |
灯織 | …… |
灯織 | ……ちゃんとやって、本当にわからなかったら聞いて |
めぐる | ! 灯織、教えてくれるのっ? |
灯織 | 答えじゃないよ、解き方だけ 自分でやらなくちゃ、宿題の意味がないんだから |
めぐる | もちろんだよ! わーいやったー! ありがとう! |
灯織 | 真乃に免じて、だからね |
めぐる | ——うんっ! 真乃も、ありがとう! |
真乃 | ううん—— |
真乃 | こっちこそだよっ ありがとう、めぐるちゃん、灯織ちゃん! |
真乃 | せーのっ…… |
一同 | 『目の上のたんこぶ』 |
一同 | 『これさえなければいいのに、と思わされること』 |
めぐる | でもみんな一緒なら、宿題も楽しいよ! |
第4話:こころざしは松の葉
甜花 | 正座…… 足、しびれてきちゃった…… |
甘奈 | ええっ!? 甜花ちゃん平気!? |
甘奈 | 無理しなくても—— ほら、楽な座り方でも大丈夫だよ! |
甜花 | あう……でも…… |
甜花 | かるたの動画、見たら…… そうじゃ……なかった…… |
甜花 | ゲームのルール、大事……! |
甘奈 | 甜花ちゃん…… |
甜花 | 正座、長くはもたないから…… |
甜花 | ここからは…… スピード勝負だよ、なーちゃん……! |
甘奈 | ! |
甘奈 | いいよー甜花ちゃん! この勝負、甘奈がすぐに片付けてあげるっ☆ |
甘奈 | 手加減なしで行くよ〜! |
千雪 | ふふ |
千雪 | ——それじゃあ続けます 次の札は…… |
千雪 | 『志は松の葉』 |
甘奈 | ——あ…… |
甜花 | ……? なーちゃん……? |
甘奈 | 甜花ちゃん大変! 新しい年賀状印刷するの、忘れないようにしなきゃ |
甜花 | あ……ほんとだ…… |
千雪 | 出し忘れ? |
甘奈 | うーん、出し忘れといえば出し忘れ…… それとも出し損ねかな……? |
甜花 | 想定外…… |
甘奈 | そうだね、確かに想定外! |
千雪 | ……? |
甘奈 | 甘奈たち、前は富山に住んでたんだけどね、 その頃の友達が送ってきてくれたんだ |
甘奈 | 甘奈たちのこと、テレビで見てビックリしたけど、 応援してるよって—— |
甘奈 | 甜花ちゃんも甘奈も、すっごく嬉しかったの! |
甘奈 | 嬉しかったんだけど…… |
甘奈 | でも…… 甘奈たちは……年賀状、送ってなくて…… |
甜花 | お引っ越ししてから……あんまり…… 会えなくなっちゃって…… |
甜花 | だんだん、連絡とかも減っちゃって…… 今年は……送らなくても……って…… |
甘奈&甜花 | …… |
千雪 | そうだったんだ…… |
甘奈 | ……ねぇ千雪さん、 相手の子、嫌な気持ちになってると思う……? |
甜花 | 自分は……ちゃんと出したのに…… 甜花たちは、そうじゃなかったって…… |
甘奈 | せっかく年賀状くれたのに、 そう思わせちゃってたら悲しいなって、甘奈——…… |
甜花 | …… |
千雪 | …… |
千雪 | 甘奈ちゃん、甜花ちゃん、聞いてくれる? 実はね、私も一緒なんだ |
甜花 | 一緒……? |
千雪 | うん 今年は送らなかった人から、年賀状が届いて—— |
千雪 | 今のふたりと同じ どうして送らなかったんだろう、ごめんなさい……って |
千雪 | とっても嬉しいのに、 少しだけ悲しいような気持ちになっちゃった |
甘奈 | 千雪さんも……? |
千雪 | うん……! |
千雪 | でもね、だから——…… お返事は、うんと心をこめて書きたいなって思ったの |
千雪 | きっと、私のことを思って この年賀状を用意してくれたはずだから |
千雪 | その真心に応えられるように—— 私も、きちんとお返事に向き合いたいなって |
甜花 | ……甜花、それ知ってる…… えと……『志は松の葉』……? |
千雪 | ええ……! |
千雪 | そういう言葉だってあるんだもん、 一生懸命なお返事なら、相手の子も喜んでくれると思う |
甘奈&甜花 | ……! |
甜花 | なーちゃん…… 書こう……! |
甘奈 | うん、もちろんだよ甜花ちゃん! ふたりで、めっちゃすごい年賀状を送らなきゃ! |
甜花 | うん……! |
甘奈 | ——そうだ! メッセージを筆で書くのってどうかな |
甘奈 | 千雪さんのおかげで、甘奈、 今日のトレンドは筆文字☆ ってカンジなんだ |
甘奈 | 気持ち、うんと込められる気がする |
甜花 | さ、賛成……! 甜花も……筆で書きたい……! |
千雪 | ふふっ……—— |
甘奈 | 無地のはがきは残ってるから、それに直接書いて—— |
甘奈 | せっかくならイラストとかもあった方がいいかな? 絵の具出してくるのもありー……? |
甜花 | 徹底的に……手書きスタイル……! |
甘奈 | えへへー、うん☆ |
甜花 | だったら…… 千雪さんも……一緒に…… |
千雪 | え? |
甜花 | えと……よかったら…… |
甜花 | 千雪さんも……ここで…… 一緒に、年賀状……書こう……? |
甘奈 | 確かに! 道具もはがきもあるよ、どうかな? |
千雪 | ……—— |
千雪 | ——ありがとう それじゃあ、お言葉に甘えさせてもらおうかな♪ |
千雪 | せーのっ |
一同 | 『志は松の葉』 |
一同 | 『真心がこもっているなら、 どんなものでも、素敵な贈り物になるということ』 |
甘奈 | 真心、きっと伝わるよね☆ |
第5話:とおくの一家より近くの隣
摩美々 | ——いきまぁす ……っ、くしゅっ……! |
恋鐘 | はぁいっ! …………じゃなかぁっ!? |
恋鐘 | 摩美々〜〜〜〜!! |
結華 | お手つきだね〜 |
咲耶 | ああ、お手つきだ |
霧子 | こ……恋鐘ちゃん…… |
恋鐘 | 今のはなしやろ〜〜!? |
摩美々 | じゃー恋鐘、1回休みでー |
恋鐘 | ええ〜〜!!! |
摩美々 | はい、いきまぁす |
摩美々 | ——『遠くの一家より、近くの隣』 |
恋鐘 | うち、お笑いがよかよ〜お笑い〜! 正月やもん〜! |
咲耶 | フフ、駅伝も素晴らしいものだよ ドラマと涙があり、時には笑いもある |
咲耶 | おせちをつまむには、うってつけさ |
恋鐘 | ん〜そいはそうばってん〜…… お笑いもおせちにうってつけばい〜! |
結華 | まみみんは何がいい? |
摩美々 | ニュースー |
摩美々 | 振り返らないとー 世の中がどうなってるかぁ |
恋鐘 | え〜! 摩美々、さっきから関係なか動画ば見よったとに〜? |
摩美々 | ふふー、チャンネル権は平等でしょー |
恋鐘 | もう〜! 冗談言っとらんで、ちゃんと考えてほしか〜! |
結華 | きりりんは? |
霧子 | わ、わたしは…… えっと…… |
結華 | やー、水中カメラで撮ると迫力が違うわ…… おっきい魚だぁ…… |
結華 | ——あ、昆布じめ美味しい…… |
咲耶 | フフ、そして美しい…… どこか悲しみさえ湛えているような目だ |
霧子 | うん…… 命を懸けて……卵を産むんだね……! |
霧子 | ——あ、咲耶さん 煮物……お箸届かなかったら……—— |
咲耶 | おや、ありがとう、霧子 では、レンコンを取ってもらおうかな |
摩美々 | ………… |
恋鐘 | ん〜、絶滅する前に見てみたかぁ〜 |
恋鐘 | ——結華、こっちの卵焼きも食べんね |
結華 | お、ありがとー |
摩美々 | ………… |
摩美々 | ……ねぇ まだ観るの、これー |
結華 | もちろん。一度チャンネルが決まったら、 最低30分は観るルールだったでしょ |
摩美々 | えー…… |
咲耶 | フフ、『幻の魚、イトウを追って』 ……なかなかよくできたドキュメンタリーじゃないか |
霧子 | ま、摩美々ちゃん……ごめんね……! わたしが……変なこと言っちゃったから…… |
恋鐘 | 霧子は悪くなか。リモコンが悪かったと |
摩美々 | ていうかぁ…… |
摩美々 | 『観たいチャンネル同時押しルール』はいいんだケドー |
摩美々 | そのチャンネル、誰も押してないじゃんー |
結華 | まぁまぁ、何かの拍子にこうなっちゃうこともあるって ほら、まみみんもおせち食べな? |
摩美々 | ……んー |
摩美々 | じゃあ、伊達巻取ってー って……ちょっと、恋鐘ー |
恋鐘 | ん……? |
摩美々 | 伊達巻はひとり2個でしょー |
恋鐘 | ふぇ……? うそー! うち、これ3個め〜!? |
摩美々 | そう |
恋鐘 | わ、悪かったね〜! えっと…… |
恋鐘 | そいじゃあはい! あ〜して! |
摩美々 | ちょ……え……? |
恋鐘 | はいっ! こいば食べてよかよ〜 |
摩美々 | じ、自分で取るからぁ…… |
咲耶 | クス、ならその伊達巻、私が頂こうかな あーん、してもらえるかい? |
恋鐘 | もちろんよかよ〜! はい、あー—— |
摩美々 | 咲耶も3個めでしょー |
咲耶 | フフッ、バレてしまったか |
恋鐘 | そ、そいやったらこん伊達巻、どげんすればよかと〜!? |
摩美々 | だからぁ、皿に置いてー |
結華 | ……ふふ |
結華 | なんか、お正月ってさ、こういう感じだよね |
霧子 | ……結華ちゃん? |
結華 | みんなでわいわいご飯食べて、 なんでもないことでちょっと騒いで、ゆっくりするの |
結華 | 今家にいるなぁって、一番感じられる感じ |
霧子 | ふふっ、そうだね…… |
結華 | ——でしょ |
結華 | あのね、三峰、 実家でお正月迎えないの、初めてなんだ |
恋鐘 | ふぇっ? そうやったとね〜! |
咲耶 | フフ、実は私もさ |
結華 | そっかぁ、こがたんは違うんだっけ さくやんは三峰と一緒だよねぇ |
結華 | ……っていうか、そっちいいの? 伊達巻の決着はついた? |
摩美々 | それはこれからつけるー |
咲耶 | なんてことだ……これじゃゆっくりする暇もない |
結華 | あははっ、まみみんが相手じゃねぇ |
霧子 | ふふふっ…… |
結華 | ……なんか、 もうちょっと寂しかったりするものかなーって思ってたけど |
結華 | お正月だねぇ、ちゃんと |
摩美々 | ……まぁ、わからなくはないケドー |
恋鐘 | 遠くのごちそうより、近くのおせちってことやね? |
恋鐘 | うちのおせち、 結華と咲耶んちのには勝てんかもしれんけど |
恋鐘 | こげん近くにあるとやけん、た〜んと食べて! |
結華 | ——ありがと、こがたん! |
恋鐘 | うん〜! 伊達巻、もっと作ってくるけんね! |
咲耶 | ありがとう、遠慮はしないよ |
霧子 | ふふ…… ——あ |
霧子 | 30分……経ったよ……! |
結華 | おっ、じゃあ再戦といきますか! |
恋鐘 | はぁいっ! お笑いお笑い〜! |
咲耶 | 駅伝かな |
摩美々 | 未確認生物の特集ー |
恋鐘 | オーダーの変わっとる!? |
霧子 | そ、それじゃあ…… ボタンに指を置いてください……! |
霧子 | レディ……—— |
結華 | せーの! |
一同 | 『遠くの一家より、近くの隣』 |
一同 | 『近くで生活する人たちは、けっこう頼りになる』 |
咲耶 | フフ……まるで私たちのことのようだね |
第6話:よめ遠目笠の内
真乃 | じゃあ、次の札にいくね 『よ』—— |
灯織 | はい——! |
めぐる | ええっ!? |
真乃 | 灯織ちゃん、速いね……っ |
灯織 | これは覚えてたから…… |
めぐる | へぇ、そうなんだ! 好きな札とか? |
灯織 | そういうわけじゃなくて—— |
灯織 | 馴染みのない言葉だったし、 この間調べて、覚えてただけ |
真乃 | ほわ…… 灯織ちゃん、すごいなぁ…… |
めぐる | ほんとだねー……! |
めぐる | わたし、かるたのことスピード勝負としか 思ってなかったよー |
灯織 | それは…… |
灯織 | せっかくなんだから、 札の意味も知っておいた方がいいと思う |
めぐる | うんっ! じゃあじゃあ——! |
めぐる | 灯織先生! 今の札のこと、教えてくださいっ |
灯織 | え—— |
真乃 | ふふっ |
真乃 | お願いします、灯織ちゃん先生っ |
灯織 | ……もう |
灯織 | じゃあ、ちゃんとことわざを読むところからね |
灯織 | ——『夜目遠目笠の内』 |
めぐる | 初詣♪ 初詣♪ |
灯織 | ……めぐる、はしゃぎすぎ |
めぐる | えー? これくらい普通だよーっ |
めぐる | 宿題もちゃんと終わったんだし、 あとは楽しいことばっかりだもん。むしろはしゃがなきゃ! |
灯織 | ……だとしても 年明け早々、ケガでもしたら困るでしょ? |
灯織 | 気を付けておくに越したことはないから |
めぐる | はーいっ |
灯織 | ……ちゃんと聞いてるのかな…… |
真乃 | ふふ。めぐるちゃん、楽しそうだね 灯織ちゃんが、誘ってくれたおかげだねっ |
灯織 | それは……いいんだけど…… ……やっぱり、心配 |
真乃 | 優しいなぁ |
真乃 | ……でも、灯織ちゃんが注意してくれたから、 きっとめぐるちゃんは大丈夫だと思う |
灯織 | ……そうかな |
真乃 | うん |
灯織 | ……そっか |
真乃 | ふふ |
めぐる | ふたりとも、準備できたー? |
真乃 | うん—— |
真乃 | 私たちも行こうか—— |
真乃 | ……あれ? |
灯織 | どうしたの? |
真乃 | ……灯織ちゃん、口のところ…… 少し赤くなってるけど、大丈夫……? |
灯織 | え |
真乃 | ほんとに、小さいんだけど—— |
灯織 | ……! 見てみる…… |
灯織 | ……本当だ…… |
灯織 | …… |
めぐる | どうしたの? 何かあった? |
真乃 | あ、えっと…… |
灯織 | ——ごめん、なんでもないの 肌が荒れてるのに気が付いて…… |
灯織 | …… |
灯織 | めぐる、ごめん…… |
灯織 | 私、めぐるにはしゃがないようって言ったのに…… 人に注意ができるような状態じゃなかった |
灯織 | ……ちゃんと自分の体調も管理できてないのに…… |
灯織 | もっともらしいことばっかり…… |
めぐる | えええ、待って待って灯織! 気にしすぎだよ! |
めぐる | わたしは、灯織がわたしのこと心配してくれたの 嬉しかったよ! ね? |
灯織 | でも、私だって年末年始で浮かれてたのに、 めぐるだけ責めるようなこと…… |
灯織 | それに、ふたりはこんな失敗してない…… 管理が甘かったなんて、本当はあっちゃいけないのに…… |
めぐる | そんなの! 灯織が悪いわけじゃないよ、 頑張ってても、荒れちゃう時だってあるよ……! |
灯織 | …… |
真乃 | …… |
真乃 | ……ひ、灯織ちゃんっ |
真乃 | この後はみんなで、 マスクをして出かけるのはどうかなっ |
灯織 | え……? |
真乃 | 見えなくなったら、きっと気にならないと思うんだ |
真乃 | それに、みんなでおそろいにもできるっ |
めぐる | あっ、真乃それ名案だよー! あれだよね、この間灯織に教えてもらったやつ……! |
灯織 | ……『夜目遠目笠の内』? |
めぐる | ——そう、それ! |
めぐる | 笠の内、じゃなくてマスクの内……だし、 本当の意味とは違っちゃうけど |
めぐる | 女の子は全部見せないのが一番ドキドキするって 昔の人も言ってるんだもん |
めぐる | だったらそういう作戦もありなんじゃないかな! |
真乃 | ほわぁ…… 本当のことわざより、前向きな感じがする…… |
真乃 | でも……うんっ 私も、そういう意味が良いなぁ |
真乃 | めぐるちゃんみたいに、 素敵な意味を思いつけてたわけじゃないんだけど…… |
真乃 | どうかな、灯織ちゃん |
真乃 | 灯織ちゃんは、マスクがなくてもとっても可愛いけど—— |
真乃 | 今日は、『マスクの内』もいいかなって…… |
灯織 | 真乃……めぐる…… |
灯織 | …… |
灯織 | 私は……やっぱり、これは失敗だと思うし、 そんな自分が嫌だなとも思う。でも…… |
灯織 | それは、一旦忘れる。治すことは後で考える |
灯織 | 今は——ふたりと一緒に初詣、楽しむことにする |
真乃 | 灯織ちゃん……っ |
めぐる | 決まりだねっ マスクマスクー…… |
めぐる | えーっと、どこに置いてたかなー…… ……お、あった! |
めぐる | はい灯織! ——えへへー、これで安心だね |
灯織 | ……うん 3人でマスクって……ちょっと目立っちゃうかもだけど |
めぐる | えー! いつかの灯織の変装よりマシだよー! |
灯織 | あ、あれは……! その…… |
真乃 | ふふ |
真乃 | ——じゃあ、行こうかっ |
灯織&めぐる | うん! |
めぐる | せーのっ! |
一同 | 『夜目遠目笠の内』 |
真乃 | 『夜の暗がりで見る時』 |
灯織 | 『遠くから見る時』 |
めぐる | 『笠の下からちらりと見える時』 |
一同 | 『女の子は、とっても可愛く見えるということ』 |
真乃 | 灯織ちゃんは、いつでも綺麗……だよっ |
エンディング:ろんご読みの論語知らず
樹里 | (1枚差で残り2枚…… 悪いが凛世、ここは退けねー……) |
凛世 | …… |
樹里 | (トランプの借りは、かるたで返す) |
凛世 | …… |
樹里 | (さぁ、読んでくれ果穂) |
樹里 | (右に『ふ』、左に『ろ』—— は行の『ふ』は、発声の息づかいでわかるはず……) |
樹里 | (感じろ、アタシ……感覚を研ぎ澄ませ……) |
樹里 | (集中……集中……しゅう——) |
果穂 | 『ろ』—— |
樹里 | (——ちゅう………………) |
凛世 | 勝負、成りました…… |
果穂 | ……り、凛世さん1枚! |
樹里 | …………!? |
夏葉 | 樹里、アナタ考え過ぎよ |
樹里 | ……はぁ!? なんでそんなこと夏葉にわかんだよ |
智代子 | 割と、顔に出ちゃってたかな……! |
果穂 | 樹里ちゃんの迫力もスゴかったけど…… 凛世さんのスピード、スゴかったですっ! |
樹里 | ……まぁ、そこは確かにな アタシの負けだ、凛世 |
夏葉 | 面白い闘いだったわ。これは好きな札だし できれば私も取りたかったけれど—— |
凛世 | ふふ…… |
夏葉 | 次のセットに譲りましょう ——『論語読みの論語知らず』 |
樹里 | うー……さむ…… 『土の温もり』って言ってもよー…… |
智代子 | ……うん、わかるよ、樹里ちゃん……! |
智代子 | 冬の土は冷たいよね……! でも、そういうことは今、一旦忘れておこう……! |
夏葉 | あら、本当の土の温もりは、 収穫物を通して感じられるのよ |
樹里 | 収穫物ったって……本当にこんなとこに生えてんのかよ その……セリ、だかなんだか—— |
果穂 | 『セリ、ナズナ、ゴギョウ、ハコベラ、ホトケノザ スズナ、スズシロ、これぞ七草』ですっ! |
樹里 | そ、それだよ ……すげーな、果穂 |
果穂 | えへへっ、学校の授業で習ったんですっ! |
夏葉 | やるわね、果穂 いえ……エージェントK |
夏葉 | お雑煮プロジェクトを経て、 私は学んだの |
夏葉 | 食の文化は先人の生きる知恵そのものだわ だから、七草がゆの習慣もぜひみんなと共有したいのよ |
果穂 | はいっ、エージェントDっ! あたしも、みなさんと一緒に食べたいです! |
夏葉 | ありがとう。でも—— |
夏葉 | ただうわべの知識を持っているというだけじゃダメ それでは『論語読みの論語知らず』というものよ |
樹里 | ——だ、だからってよ…… わざわざ材料を採りに来なくても…… |
夏葉 | 樹里。ちゃんと土の温もりから知らなければいけないの いいじゃない、ジョギングコースなんだから |
夏葉 | 素晴らしい野草がすぐ側にあるというのに、 私たち、何も知らずに走っていたのね……! |
智代子 | まぁ、運動は悪いことじゃないし! |
智代子 | ヘルシーでローカロリーなものを食べるのも、 体にいいと思わない? 樹里ちゃん! |
樹里 | ヘルシーでローカロリーな食べ物がいいんなら、 冷蔵庫のケーキはお預けだな |
智代子 | そっ、それは……! |
智代子 | ……ご飯が1食七草がゆになったら、 許されるんじゃないかなっ……!? |
果穂 | わあっ! そうなんですね! 七草がゆ、スゴいです……! |
樹里 | 果穂、あのな…… |
智代子 | でも、肝心の七草が見つからなきゃ、だよね |
智代子 | ——夏葉ちゃん、さっきの画像、 もう一回見せてもらってもいい? |
夏葉 | ええ ——ちゃんと調べたのよ? この辺の河原にあるって |
果穂 | あっ、ちょこ先輩っ 私も図鑑持ってきたんですっ! |
智代子 | わ、果穂もありがとう! うーん…………ん? |
智代子 | あ、あれ……!? 『スズシロ』ってダイコンなの……!? |
樹里 | 何言ってんだ、チョコ 七草っていうんだから、草だろ |
智代子 | でも樹里ちゃん、図鑑に……! |
果穂 | はい! スズシロはダイコンのことですっ! |
智代子&樹里 | ええー!? |
夏葉 | そうよ。昔の人は美しい名前で呼んだのね |
樹里 | いや……ってか、そんなもん、 どー考えても、畑じゃないと生えてないだろ!? |
夏葉 | ……? |
智代子 | 夏葉ちゃん……! えーっと、ダイコンはなんていうか…… こういう場所にはないんじゃないかなって……! |
夏葉 | ……えっ! |
樹里 | そこからかよ……! まぁ、絶対ないとは言いきれないけどな…… |
智代子 | そ、そうだよね…… もしダメでも、スーパーに行けばなんとか…… |
果穂 | あっ、違うんです! この辺には—— |
凛世 | スズシロでしたら…… ここに…… |
智代子 | 凛世ちゃん!? |
果穂 | あっ、凛世さんっ! ……わあっ、それ……! |
樹里 | おっ、おい凛世!? どうしたんだよそれ……! |
凛世 | これは…… おそらく……ハマダイコンと呼ばれるもの…… |
智代子 | わぁ、普通のより小さい……! |
凛世 | はい…… |
凛世 | 小さきものゆえ…… かゆには……合いましょう…… |
夏葉 | 凛世……素晴らしいわ! やっぱりこの辺りを探して正解だったのよ |
樹里 | や、わりーな、夏葉…… |
智代子 | うん、私もごめん…… こういうのがあるとは思わなくて…… |
凛世 | ふふ…… |
果穂 | あたしも、何か見つけたいですっ! もっと探してきますねっ! |
智代子 | ——うん、よし! 私も頑張ってくるよ! |
樹里 | おー! あるってわかればな……! |
智代子 | それでは、収穫物を発表してください! |
果穂 | じゃーん! ナズナですっ! |
智代子 | じゃーん! ハコベラですっ! |
樹里 | じゃ、じゃーん……! セリ |
凛世 | じゃーん…… スズシロを……もうひとつ…… |
夏葉 | ご……ごめんなさい…… 私、まだ見つけられてないの |
樹里 | まぁ、夏葉は画像持ってフォローしてくれてたからな…… |
樹里 | ということは、あと3つか…… えっと……スズナ、ホトケノザ、ゴギョウ…… |
智代子 | なんかちょっと、残ってるやつレベルが高そう……! スズナって、カブだったよね……!? |
樹里 | ダイコン系はな…… |
果穂 | ホトケノザは、おんなじ名前の別の草があって、 間違えるとちょっと危険なやつみたいですっ! |
智代子 | 危険……!? それなら名前変えて……!? |
凛世 | それでは…… ゴギョウを狙いましょう…… |
樹里 | だな……これだけ探して見つからねーんだから、 残りは、努力目標だ |
樹里 | 七草は無理でも…… 五草あれば、アタシたちらしくていいんじゃねーか? |
果穂 | はいっ! 五つの力の、五草がゆです!! |
凛世 | 五草がゆ…… ふふ…… |
智代子 | ——それ、とってもいいと思います! じゃあ画像は……これだね! |
樹里 | ……うーん、花が黄色なんだよな そんなの見かけたか? |
果穂 | きっと、まだ花の時期じゃないんですっ! だから、葉っぱを手掛かりにしますっ! |
智代子 | おおっ、なるほど……! |
夏葉 | みんな…… |
樹里 | 大丈夫だ、夏葉 きっと見つかるよ |
智代子 | そうそう! だってみんなで探すんだもん! |
果穂 | 夏葉さんっ! ゴギョウは、あたしが見つけてプレゼントします! |
凛世 | 凛世も……必ずや…… |
夏葉 | …… |
夏葉 | ありがとう |
樹里&智代子 | …… |
夏葉 | 私が誘っておきながら…… ……論語読みの論語知らずなんて、よく言えたものだわ |
夏葉 | なんにも知らずに、付き合わせちゃったわね |
果穂&凛世 | …… |
凛世 | いえ…… 凛世もまた……論語知らずでございます…… |
凛世 | ハマダイコンなど…… 見たことも……ございませんでした…… |
樹里 | ああ。アタシも、ダイコンが こんなとこに生えてるなんて知らなかったよ |
智代子 | ねー? びっくりしたよ! それに—— |
智代子 | 七草の文化? とはちょっと違っちゃうかもだけど、 『土の温もり』にはいっぱい触れられたと思うし! |
果穂 | あたしも、い〜っぱい勉強しましたっ! |
凛世 | 知らなければ……知ればよい…… |
凛世 | 夏葉さんは…… 教えてくれたのです…… |
夏葉 | …… |
夏葉 | そうね…… |
夏葉 | 絶対に見つけます |
夏葉 | みんな、力を貸して頂戴 ゴギョウ……私も絶対に見つけるわ! |
樹里 | おう! |
凛世 | ふふっ…… |
智代子 | もちろんだよ! |
果穂 | はいっ! |
凛世 | せーの…… |
一同 | 『論語読みの論語知らず』 |
一同 | 『知識はあっても、実践がないこと』 |
一同 | 『そして』 |
夏葉 | あっ……! こ、これ……これよ……——! |
一同 | 『七草がゆが、五草がゆになること』 |
夏葉 | それは、ごめんなさい…… 私の未熟さ。私の宿題よ! |
樹里 | まー、そこはみんなの宿題ってことで |
果穂 | 以上、『放課後大辞典』より抜粋! |
智代子 | それぞれのことわざの意味には、 多分に各ユニットの解釈が含まれます! |
凛世 | 完 |
果穂&智代子 | わぁ……! |
樹里&凛世 | うん……! |
夏葉 | うふふっ |
夏葉 | じゃーん! ゴギョウです! |
脚注
- ↑ 「今回のシナリオイベントについて」の1ページ目に暗示されている